- 2022.2.28
編集長コラム
マグロは語らずとも雄弁である。
こんにちは。編集長です。
なぜマグロは、これほどまでに人を魅了するのだろうか。
先日、4万年前の人類もマグロを釣って食べていた記録が、ニュージーランドとインドネシアの間にあるウォーラシア海域の遺跡からわかるという記事を読んだ。
那智勝浦漁港では、延縄漁で釣りあげた生マグロが多く水揚げされているが、加速度的に進化し続けてきた人間社会において、現代人と4万年前の人類が、実はほぼ同じ方法でマグロに立ち向かっていることは、とても興味深い。人のマグロへの向き合い方は、長い時を経てもほぼ変わっていないのです。
今では人工衛星や最先端の技術を駆使して、巻網漁という魚群を一網打尽にできる技術もあります。資本主義経済社会では、利益や効率の追求は当たり前のこと。一方で「マグロ資源に最も優しい」漁法は、古来から人類が行っていたマグロを釣りあげるという方法。そんな古い時代から続く漁法とあまり変わらない延縄漁を守り続ければ、マグロは100年先もきっと変わらず私たちと共に生き続けてくれる。4万年前から変わらない人とマグロの関係性を守り続けたいと、私は強く思います。
海洋資源に恵まれた私たちの国、日本。SDGsや自然保護が叫ばれ、コロナ禍以降もいろんな価値観が変化し、様々な業界で日々技術革新が行われています。でも、変わらなくていい、変えなくていいこともある。そして変わらないために、私たちは変わり続ける責任があると思うのです。
那智勝浦や熊野の自然は、そんな私たちのために変わらず、剥き出しのまま在り続けてくれています。全てを受け入れて、常に気づきを与えてくれるこの自然を、守りゆくことから始めようと思います。
このように、マグロは何か私たちに言葉を発するわけではないけれど、私たちはマグロが食べたいと欲し、いつのまにかマグロのことを考え、自然のことを考え、未来のことを考えさせてくれます。
何も語らず、しかしながら雄弁に私たちの心に訴え続けている。故にマグロは私たちを魅了し続けることができるのだと思います。
世界初の、マグロ専門のポータルサイトまでをも作らせることになったのだから。
私たちの役割は、マグロが泳ぐ道を作り続けること。
私たち“TUNA×TUNA”は、世界中の方々と繋がり、語り合い、知ってもらうことでマグロが泳ぐ道が作られ続けると信じ、活動していく決意です。
“TUNA×TUNA”を宜しくお願い致します。
(TUNA×TUNA編集長 𦚰口ケンタ)
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