• 2021.12.25
  • 週刊nachi活

  • 那智勝浦生まれの20代女性起業家が、 ドングリを持って会いにきた!(vol.2)

  • 高校時代に被災した紀伊半島の大水害をきっかけに、土砂災害のない未来を作りたいと学び、行動し続けた奥川さん。弱冠20代で“土砂災害での人的被害をゼロにする”というビジョンを掲げる(株)ソマノベースを設立した。今回はその主力商品である、ドングリの木鉢について聞いてみた。

林業も水産業も大切なのは一般の人を巻き込んでいくこと

「林業が抱える課題は業界内で考えても解決しない。30年間ぐらいずっと同じ課題を抱え、解決する担い手もいないのが現状。もっと他の業界の人も含めたいろんな人に関わってもらい、さまざまなアイデアを出し、いろんな切り口から少しずつ解決するしかないと思います。だから、林業とは縁のない一般の人を巻き込むために、この企画をデザイナーと一緒に創りました」

思わず机に置きたくなるような見映えのいい木鉢。若い感性が、デザインにこだわって創り出したことが伝わってくる。しかし、見た目だけではなく、この木鉢を通じたお客様との関係性や仕組みも美しく、斬新だ。

「“戻り苗”という商品名で、お客様に木の苗を家庭やオフィスで育ててもらいます。2年後に成長した苗をソマノベースに返してもらい、当社が苗木を山に植えて戻すのです」

「お客様は我が子のようにして、2年間この苗を育てると思います。やがてそんな愛着が湧いた苗を山に戻した時、当然その山の状態や未来が気になるはず。加えて、苗を育ていただいている2年間、私たちはお客様とのコミュニケーションを通じて、山や林業についての啓蒙活動も行ないます」

そう、“戻り苗”はお客様が自然と山林に愛着を持ち、山林の重要性や未来を自然に考えるようになる仕組み。ソマノベースの若い感性が創り出したこのアプローチは注目を浴び、クラウドファンディングも137%達成、テレビ、新聞、雑誌など、さまざまなメディアにも取り上げられた。

「山は大事。でもそれを真正面から伝えてもごく一部の人にしか響かない。だから、楽しみながら山や林について興味や関心を持ってもらえる企画を考えました。水産業が抱える課題も林業と似ていると思う。“楽しい、面白い、美味しい”といった側面を持つ、知らない人を巻き込みやすい企画や接点を通じて巻き込みつつ、課題解決につながる状況を作っていくことが大事だと思います」

大手企業含めて、SDGsの取り組みを進める企業などからも問い合わせや引き合いも多いそうだ。そんな彼女の挑戦はまだまだ続く。

<続く>

(取材、文章:副編集長 横谷真一)

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那智勝浦生まれの20代女性起業家が、 ドングリを持って会いにきた!(vol.1)

 

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